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Visual Studio 2022がメモリ機能とAnthropicモデルを追加

掲載日: 2025年11月1日. 18:44
Lena Choi

Microsoftは2025年10月のアップデートでVisual Studio 2022の体験を再設計し、GitHub Copilotに永続メモリを加え、チャットのモデル選択を拡大し、C++向けにVisual Studio 2026への移行ガイドも示した。

GitHub Copilot Memoriesにより、アシスタントは修正内容や明示した規約、覚えておくべき指示を保持でき、.editorconfig、CONTRIBUTING.md、README.mdにチーム共通の設定として保存するよう促す仕組みが用意された。規範をリポジトリのファイルに書き込むことで、会話ベースの一過性の記憶から可視化されたガバナンスへと重心が移る。

今回のアップデートではチャットにAnthropicのClaude Sonnet 4.5とClaude Haiku 4.5が使えるようになり、Sonnetはソフトウェア開発での安定性と多用途性が強調され、Haikuはより低コストでの性能向上が特徴とされ、Microsoftは開発者向けブログで他の新機能も紹介しながらGitHub Copilotを複数LLMの入り口として位置づけている。

次期メジャー版に向けてMicrosoftはC++プロジェクトの移行手順を公開しており、Visual Studio 2026はInsidersで先行提供され、安定版と並行してインストールできるため既存のMSVCツールセットを維持したままセットアップウィザードで不足コンポーネントを追加し、最終的にMSCV Build Tools 14.50とMSVCコンパイラ19.50へ更新するタイミングを選べるので、ツールチェーンを乱さずGitHub Copilotの評価を続けやすい。

この動きはコミュニティの予定とも重なり、2025年11月18日のオンラインカンファレンスbetterCode() .NET 10.0では.NETの専門家が.NET 10.0の改良クラスやEntity Framework Core 10.0のNative AOTを議論し、C# 14.0や人工知能、Web APIをテーマにした6つの終日ワークショップが続く予定で、そこでGitHub Copilotの位置づけが日常の開発実務の中で明確になる。

ソフトウェア市場の文脈では、リポジトリに結びついたメモリとIDE内のマルチモデルチャットの組み合わせが成熟局面への移行を示し、ベンダーロックインより柔軟性が重視され、GitHub Copilotはモデルの素の性能だけでなくワークフローの深さでも競う構図になる。

英国のスタートアップを含む新興企業にとっては、開発環境にメモリが統合されることでオンボーディングの摩擦が減り、標準が初日から制度化されやすくなり、リポジトリ全体でGitHub Copilotが共通の基盤になるほどプラットフォーム投資の判断が取りやすくなる。

IDEの基盤とモデル選択、規約のコード化が結び付く流れは明白で、企業の技術責任者にとってGitHub Copilotが便利なプラグインから規範に沿った再利用可能なプロジェクトコンテンツを生み出す仕組みへと進化していることを示している。

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By Lena Choi lena.choi@aitoolsbee.com さまざまなAIツールを直接試し、その活用性と限界を分析します。
ユーザー中心の視点で、生産性向上やクリエイティブの変化を描き出します。