
Vercel、AI成長に伴い90億ドルの評価額で新たな資金調達
フロントエンド開発スタートアップのVercel Inc.が、新たに数億ドルの資金を調達していると報じられている。情報筋によれば、この投資はAccelが主導しており、Vercelの評価額は約90億ドルに達する見込みで、これは昨年5月にAccelが主導した2億5千万ドルの資金調達後の評価額のほぼ3倍に相当する。
Vercelは、ウェブアプリケーションインターフェースを構築するための人気のオープンソースフレームワークであるNext.jsを商業化している。この技術は、通常ユーザーのブラウザで行われる処理タスクをウェブサイト運営者のサーバーにオフロードし、タスクをより迅速に完了させ、ウェブページの読み込み時間を短縮する。
同社は、Next.jsベースのウェブサイトを迅速に更新できるクラウドサービスを提供している。Vercelによれば、このソフトウェアは通常数分かかるコードの展開を数秒で完了でき、更新前にウェブサイトの設定を変更する必要を排除することでその速度を実現している。
また、Vercelは、ウェブアプリケーションが情報を保持するデータベースの管理や、故障したソフトウェアアップデートのロールバックなどのタスクを容易にするいくつかの開発ツールを提供している。Vercelが新たな資本を求めているという報告は、同社のサービスの成長スパートの中で浮上し、人工知能ツールのラインナップが製品開発の中心となっている。
今月初め、同社はv0というAIプログラミングアシスタントを発表し、インターフェースデザインのアイデアを提示し、それを機能するコードに変換できる。また、v0は既存のウェブサイトインターフェースのコードをスキャンして技術的な問題を検出することができる。
5月には、AI Gatewayというサービスを導入し、開発者がウェブアプリケーションで使用するAIモデルを迅速に変更できるようにした。チャットボットを駆動する大規模言語モデルがオフラインになると、AI Gatewayはリクエストを別のアルゴリズムに切り替えることができる。
新たな資金調達ラウンドは、VercelがGPUを調達しやすくし、買収を通じて製品開発の努力を加速させることが期待されている。1月には、Vercelは人気のオープンソースウェブサイトインターフェース構築ツールであるTremorの背後にあるスタートアップを買収した。