AI filmmaking 合弁ユートパイ・イースト、データ基盤を狙う

AI filmmaking が実験的ツールの段階から計算資源を要する基盤構築へと移り、Stock Farm Road と Utopai Studios が映画とテレビ制作のための専用システムを整備する合弁会社「Utopai East」を立ち上げた。出資比率は五分五分で、スクリーン産業に機械学習を適用するために必要な電力とデータセンターの需要に対応する狙いだ。

AI filmmaking を支える役割分担として、Stock Farm Road は資本とクリエイティブの知見、業界ネットワークを提供し、Utopai Studios は技術とワークフロー、インフラを担う。Stock Farm Road はLGグループ創業者 Koo In-hwoi の孫である Brian Koo と、BADR Investments の創業者兼CEO Amin Badr-El-Din が共同設立した。

短期的には AI filmmaking をコスト削減とスケジュール短縮の手段と位置づけ、初期の取り組みは韓国のクリエイターに焦点を当て、著名監督と新進気鋭の制作者の双方と組む。制作は既存施設で開始し、この協業の最初の作品は来年の公開を見込むと、Utopai Studios の共同創業者兼CEO Cecilia Shen は述べた。Brian Koo は直近の最優先事項として費用対効果を挙げつつ、新しい表現形式の探求にも意欲を示した。

労働現場の懸念に対応するため、両社は AI filmmaking が主要な創作職を自動化するのではなく支援する設計だと説明する。Shen はスタジオのワークフローが映画制作者と並走するよう作られており、脚本家と監督、俳優は不可欠だと語った。さらに、使用するすべてのモデルとデータセットはライセンス済みで契約上の承認を得ており、クリエイターへの敬意を担保しているという。

インフラ面では AI filmmaking と連動して、Stock Farm Road が韓国の全羅南道政府と合意した出力3ギガワットのデータセンター計画が中核を成す。Koo はこの施設を、製造やエネルギー・トゥ・インフォメーション、人工知能、量子コンピューティングなど知能駆動型産業の基盤を築く広範な構想の一部だと位置づけた。このデータセンターはデータ管理からクリエイティブインテリジェンス、制作、配信までをカバーし、Utopai East の土台になる見込みだ。

資金面では AI filmmaking に向けた具体的な条件は非開示だが、同社は Stock Farm Road の投資ビークルに加え、グローバルな政府系および機関投資家、映画やエンタメ分野の業界パートナーから資本を集めると説明した。国境を越える資金調達の組成は、コンテンツ制作におけるコストとスケジュールのリスクを制御できるインフラへの需要が高まっていることを示す。

成長戦略としては AI filmmaking を韓国発の物語で始め、まずは日本市場が有望とされ、さらに中国やタイへの展開も視野に入れる。ローカルの知的財産を基盤にしつつ国際配信を広げ、韓国の創造性をより広い視聴者に届ける考えだ。

業界全体の文脈で見ると AI filmmaking はモデル先行の実験段階から、計算資源とライセンス済みデータ、制作ワークフローを統合したパイプライン競争へと移行している。巨大施設と適法なデータ、人間主導の演出が結び付くことで、デモの目新しさよりも処理能力やガバナンス、コスト確度が評価軸となり、企業向けコンテンツがインフラ主導の段階に入る兆しが強まっている。